2020年12月22日火曜日

ノエルの贈り物展@国立watermark arts&crafts

 国立watermarkで開催中の第7回 ノエルの贈り物展 (12/11金 ~25金 open:13:00-19:00 close:月・火曜日)webshopでもご購入いただけます。私は水彩で描いた鳥の絵を出品しています。一点ものなので、版画とはまたちがった雰囲気を楽しんでいただけたらと思います。

どうぞ、よろしくお願いします。



リンク先の下へスクロールするとショップになっています。収益の一部が寄付となります。

watermarkart.base.shop











2020年11月25日水曜日

シャボンの惑星

 先日、北条民雄『いのちの初夜』を読んだ。ずっと、手に取らなかった小説である。手に取らなかった理由は、タイトルの迫力にあったと思う。ただ、なんだか、怖かった。

 なんとなくなかなか読まない。そういう本はいくつかあるが、あるときふっと開いて、あっけないくらいするっと読めてしまう。

「いのちの初夜」は読んでみれば、瑞々しいものだった。瑞々しいというのはわざとらしい言い方かもしれないけれど。絶望の淵にだけ沸いている誰も触れることが出来ない力強い湧き水のようだった。

 北条民雄はハンセン病患者として療養所(隔離所である)で生活をしながら、執筆をしていたことで知られた作家である。病気のイメージがどうしても、作品と出会う入り口になってしまうのは、仕方のないことかもしれない。ハンセン病は、病そのもののみための特徴のみならず、風評や法によって長い間隔離と差別をされていた、少し特殊な病だからだ。しかも、そのみためによるところが大きく影響して、なにか、ひどい負のイメージが塗り籠められてしまっている。北条民雄は、その裏には気の遠くなるような感情に支配されていたのだろうとは思うが、徹底的に塗られてしまった負のイメージに怒るでもなく、抗うでもなく極めて客観的に、受け止めようとしているようにもみえる。自死を冷静に遂行しようとするさまにも、感情の昂りのような様子はなく、それがかえってリアルだった。

 この世には沢山の差別や偏見に満ちあふれている。コミュニティの大きさに関わらず。自分だって、何も持っている訳ではないので、例えば他愛のない、容姿のことや、学歴のことなどでいやな目にあったこともある。外国へ旅行すれば、人種差別としてちょっとしたやな目にあうこともある。しかし、それは、ほかのことで紛れるような一時的なことである。気にしないか、そういう目にあわない場所や人を選べばいいだけだった。

 けれど、患者たちは、逃げ場を取り上げられた。逃げられなくなった魂は浄化を目指した。魂は尊い動きをする。他人が触れなければなおのこと。まるで手つかずであるほどに自然が美しいように。ただ、そんな美しさなんかより、自由になりたかっただろう。いのちだけの存在になっていくのはたまらないだろう。俗に汚れることもまた、生きる楽しみであるから。

 いずれにせよ、当事者ではなかったものには、とうていわかろうはずがない。それは、どんな差別や病や被災や被害者にもいえることだとは思う。

けれど、到底他人には理解することのできない状況に置かれてしまった人々を知った時、わたしはいつもわたしも彼らも、色という世界のなかのグラデーションのなかにいるのだと思うようにしている。

わたしたちはグラデーションのなかにあって、それぞれ色は違うが同じ地平に立っている。

あたかもシャボン玉の表面のように、さまざまな色が移ろっている惑星で、時に青くなったり、紫がかったり、赤くなったりている。誰の間にも、線がひかれているわけではない。ひとりひとりが立っている。線のようなもので繋がっているわけではない。ただうつろいの色のひとつひとつにすぎない。

シャボンの表面では、めまぐるしく色が変わる。

差異があったとして、それはめまぐるしくかわっている。

それが変わらないとおもっている停滞した心が、差別に対する鈍感さだと思う。

わたしたちはシャボン玉でできたこころもとない惑星の表面で、

レイヤーがあるわけではなく、緑になったりオレンジになったり変化しつづけている。


北条民雄が受け入れたものってなんだったのだろう。

ただ、差別を叙情や感覚のなかに収束させてはいけない。そのほとんどは、人為的なシステムによるものでもあるのだから。






 





2020年11月23日月曜日

peace peace peace

先日聴いた、ヨーヨー・マの配信ライブの最初の曲が「鳥の歌」(カタルーニャ民謡)でした。
チェロ奏者パブロ・カザルスが、フランコ政権容認への抗議としての14年間の演奏拒否を解いたとき、1971年に国連で演奏した曲です。カザルス96歳でした。
で、ヨーヨー・マの「鳥の歌」がめちゃくちゃよくて....。ヨーヨー・マはカザルスの反骨と平和への想いに寄り添っているようでした。

リンクはカザルス演奏の「鳥の歌」です。心に染み渡るようです。
「鳥はpeace peace peaceと鳴くのです…」(カザルスのスピーチより)

peace peace peaceというタイトルで鳥の水彩画を描きはじめました。
12月の国立watermarkでのグループ展に出品する予定です。お求めやすい価格設定をするつもりですので、この機会に是非よろしくお願いします。詳細はまたupします。














 

2020年11月11日水曜日

わたしとポットの静かな攻防戦

 冬になると欠かせないのが、保温ポットです。
 朝、やかんにたっぷりのお湯を沸かして、紅茶のパックと一緒にこのポットに入れます。多分1Lくらい。それを持って、作業場に詰めるのです。動き回っているときは、それほどお茶って飲まないのに、なぜか、ずっと座って絵の作業をするときには、行き詰まりがちなのでしょうか。落ち着きない感じでやたらと飲みます。
 このポットは、もう十年以上使っていると思うのですが、こういうがっしりしたブツを捨てるのがなかなかできません。捨ててしまえば、これが、ずーっと腐りもせず、夢の島みたいなところで、ひゅーっと風のなかで、何年も転がっているような気がして、捨てられません。環境問題をいつも意識しているわけではないのですが、この大きさがまた、どことなく中途半端にそんな気持ちにさせるのだと思います。
 いや、使えるのだし。注ぎ口は割れてしまったけど、使えるのだし。保温力は2時間くらいしかもたないけど、まあ、使えるのだし。という気持ちで、とくに気に入っているわけでもないこの安物のポットを使い続けてました。

 ところが、いよいよこのポットと別れる時が来ました。その決意を促したのが、「騒音」です。
 このポット、音がするようになってしまったのです。熱いお湯で中の空気が膨張する時、とうとう漏れるようになってしまったようです。それが、なんだか毎回いろんな音がするわけです。「しゅーしゅーしゅー」とか「ひぃいいいいい」とか「ぴしゅぴしゅぴしゅぴしゅ」「ぽっぽー」といった具合です(だいたいです)。

 さすがに、ポットさん、もうちょっと静かにしてくれませんか...と思い始め、ネットをなんとなくみていると、12時間くらい熱々のお湯をキープできると豪語するポットたちが沢山あるではないですか。しかもおしゃれで、しかも2000円足らずで。いよいよだな。と思って、ぽちりました。翌日には届くとのことで、旧ポットはキッチンのごみばこの横へそっと置きました。

 翌朝、なんとなく、ヤマト来たかなあ。と思っていたのですが、そのまま作業をしてました。わたしは、宅配は置き配に指定しています。ドアの前にそのまま置いといてもらうのです。いつものことなので、昼過ぎにドアを開けてみましたが、何もなくて「まだか」と、思っていましたが、気になって配送状況を見ると、配送済みになってました。

なんと、新ポットは何者かに持ち去られたようです。はじめてです。かなりショック。

というわけで、今朝もまた、旧ポットへたっぷりお湯を入れました。

ところがですね、今日は例の騒音がしないのです。なんていうか、かしこまっているというか。おとなしくなっている。「これからも、よろしくお願いします。ね」と言われているようです。
まさか、まさか君が...?

 

 



 

2020年10月7日水曜日

点睛をさがして

絵本の仕事は、まだ四合目ですが、だいぶ版画のイメージの落ち着き先がみえてきました。
それがまったくみえなかった数ヶ月前からすると、こころは平穏です。あとは、時間との戦いだけ。ビジョンが見えていれば、とりあえず時間とは闘える...。

 この数年、INNER MOUNTAINというシリーズのドローイングをしていて、「心の山の風景画」というものを描いていました。(内容についてウエブマガジン「水牛」に拙文を寄せています。)
つまり、いままでのようなイラストレーション的な雰囲気での銅版画の仕事から、より絵画的でカラフルな抽象画へ移行しているところでした。
 もちろん、ひとりの人間がやっていることなので、具象でも抽象でも、その内面的なものはでますし、それらが私という地下茎で繋がっていることは確かです。それら一見ばらばらな作業の接点を探り当てて、またあらたな展開を試みようとしているところでした。

 なので、がっちり銅版画を作るということは、進もうとしているところを引き戻されるような感覚でもあり、どう対応したらいいのか、どういう制作プランをたてたらいいのか、突如混乱してしまったのです。ムカデが足をどううごかしてたのかわからなくなってしまったというかんじです。絵本制作という憧れていたことが現実となり、プレッシャーも相当ありました。

 おそらく、コロナうつにもなりかけていたと思います。その混乱から落ち着けたのが、編集者Fさんの「自分の手を信じましょう」という言葉でした。
 これがてきめんで、わたしはようやく、銅版画との向き合い方をあらため、制作の息を吹き返したのでした。

 版画は手順がとても大事ですが、銅版画の制作手順の見直しは、当然のことながら絵に影響を与えてきました。ただ、それが、なんだか面白くも思えて、いままで自分がどんな銅版画をつくりあげたかったのか、まだ追求し終わらないうちに画風を替えつつあったことがわかりました。つまりわたしはまだ、いままで自分の版画をひとつも作っていなかったのです。愕然というよりは清々しく感じています...。いいのですきっと、その時期が早くくる作家もいれば、わたしのようにとても遅いものもいると思います。まだまだ改変して、自分の絵をつくりあげなければと思いました。

 絵を描いていると、つくづく答えのない世界であることを感じます。外からなにかを持ってくるとすべてがくずれてしまうのです。
 新しい画面をむかえたら、そのつどなにもない空間のなかに点睛は探し歩かなくてはいけません。近道や楽な道はひとつもありませんが、鼻歌のレパートリーは増えていきます。
いつもはじめの一歩から。

 

 道ばたの秋のタンポポです。





 

2020年9月22日火曜日

Here and Heaven



ヨーヨーマ率いるGOAT RODEO
ちょっと哲学的な深みを持った世界なのかな、
韻のせいもあるのか、私には難解な詩。
移民たちで結成されている故か、
それぞれのルーツを孕んだ
音たちがボーダーレスに駆け回り、
じゃれ合って大地を吹き抜けていくよう。
GOAT RODEOの音楽には、不思議な心地よさがあります。

今日は、お墓参りへ。
北鎌倉から歩いて建長寺前の菩提寺へ、
お参りして、いつものミョウガのお裾分けをいただき、また歩いて鎌倉へ。
途中、老舗店の閉店をいくつか知ることに。
時間が流れていたのを感じました。

Here and Heaven
With a hammer and nails and a fear of failure
we are building a shed
Between here and heaven between the wait and the wedding
for as long as we both shall be dead
to the world beyond the boys and the girls trying
to keep us calm
We can practice our lines 'til we're deaf and blind
to ourselves to each other where it's
Fall not winter spring not summer cool not cold
And it's warm not hot have we all forgotten that
we're getting old
With an arrow and bow and some seeds left to sow
we are staking our claim
On ground so fertile we forget who we've hurt along
the way and reach out for a strange hand
to hold someone strong but not bold enough to
tear down the wall
'Cause we're not lost enough to find the stars aren't
crossed why align them why fall hard not soft into
Fall not winter spring not summer cool not cold
And it's warm not hot have we all forgotten that
we're getting old






2020年9月18日金曜日

colours

オオカミの絵本制作中に、

日本の狼バンド、MAN WITH MISSION聴いてみる。

こんな瀟洒で暖かい曲もあります。

- colours -

https://youtu.be/5VheJULVfNU



 colours

dark red The colour of your blood drawing the wrist
cobalt blue The colour of the sky holding it all
pale purple Umbrella, you keep from me trembling
true orange Everything coloured by the setting sun
chrome yellow You said to me it calls us happiness
moss green The hills of our town which kept us there
scarlet The colour of the children's cheek you loved
snow white It covered every sorrows among us
Colourful world we had been everywhere we're standing
Coloruful world we had lost everything
But you were standing, you were breathing just there
Under that each colours
Every light on the street had meaning of each story
Everyone believed in life day by day
But we would start it, we must start again ourselves
Put on the new colours again
light blond You showed me your calm hair proudly
bright gold The picture frame you always smile at me
silver The carved spoon we bought to start our life
dull grey I dyed all in all after you have gone
transparent The heart of the baby born today
flesh colour Seeing my hand grasped tightly
all black The colour of beginning of new days
deep brown Walking this land we have to go forward
Colourful world we had been everywhere we're standing
Colourful world we had lost everything
But you were standing, you were breathing just there
Under that each colours
Every light on the street had meaning of each story
Everyone believed in life day by day
But we would start it, we must start again ourselves
Go on the road
good bye