2020年11月11日水曜日

わたしとポットの静かな攻防戦

 冬になると欠かせないのが、保温ポットです。
 朝、やかんにたっぷりのお湯を沸かして、紅茶のパックと一緒にこのポットに入れます。多分1Lくらい。それを持って、作業場に詰めるのです。動き回っているときは、それほどお茶って飲まないのに、なぜか、ずっと座って絵の作業をするときには、行き詰まりがちなのでしょうか。落ち着きない感じでやたらと飲みます。
 このポットは、もう十年以上使っていると思うのですが、こういうがっしりしたブツを捨てるのがなかなかできません。捨ててしまえば、これが、ずーっと腐りもせず、夢の島みたいなところで、ひゅーっと風のなかで、何年も転がっているような気がして、捨てられません。環境問題をいつも意識しているわけではないのですが、この大きさがまた、どことなく中途半端にそんな気持ちにさせるのだと思います。
 いや、使えるのだし。注ぎ口は割れてしまったけど、使えるのだし。保温力は2時間くらいしかもたないけど、まあ、使えるのだし。という気持ちで、とくに気に入っているわけでもないこの安物のポットを使い続けてました。

 ところが、いよいよこのポットと別れる時が来ました。その決意を促したのが、「騒音」です。
 このポット、音がするようになってしまったのです。熱いお湯で中の空気が膨張する時、とうとう漏れるようになってしまったようです。それが、なんだか毎回いろんな音がするわけです。「しゅーしゅーしゅー」とか「ひぃいいいいい」とか「ぴしゅぴしゅぴしゅぴしゅ」「ぽっぽー」といった具合です(だいたいです)。

 さすがに、ポットさん、もうちょっと静かにしてくれませんか...と思い始め、ネットをなんとなくみていると、12時間くらい熱々のお湯をキープできると豪語するポットたちが沢山あるではないですか。しかもおしゃれで、しかも2000円足らずで。いよいよだな。と思って、ぽちりました。翌日には届くとのことで、旧ポットはキッチンのごみばこの横へそっと置きました。

 翌朝、なんとなく、ヤマト来たかなあ。と思っていたのですが、そのまま作業をしてました。わたしは、宅配は置き配に指定しています。ドアの前にそのまま置いといてもらうのです。いつものことなので、昼過ぎにドアを開けてみましたが、何もなくて「まだか」と、思っていましたが、気になって配送状況を見ると、配送済みになってました。

なんと、新ポットは何者かに持ち去られたようです。はじめてです。かなりショック。

というわけで、今朝もまた、旧ポットへたっぷりお湯を入れました。

ところがですね、今日は例の騒音がしないのです。なんていうか、かしこまっているというか。おとなしくなっている。「これからも、よろしくお願いします。ね」と言われているようです。
まさか、まさか君が...?

 

 



 

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