2023年1月28日土曜日

理想の髑髏をさがして

 なぜか、年明けから、ちょっと髑髏を描いていた。
きっかけは些細なことだったが、なんとなく描いてみたものの、どうしても「メキシコ」になってしまう。
あのどこか、とぼけた、まったく怖くなくて親しみのあるガイコツになってしまうのだった。石膏像を描くと自分の顔に似てしまうというのがあったけど、ガイコツもしかり。 いや、どちらかというとガイコツは、誰が描いてもとぼけた感じにはなるのではないか。ガイコツの存在自体がそのような生者をあざけるような雰囲気をすでに纏ってしまっている。なんか、笑われているみたいな気がする。でもまあいっか、相手は死者で、しかも出来上がっているやつ、つまり骸骨なんだから。

理想の髑髏像はどういうものだ。と、ふと考える。
わたしとしてはいずれヴァニタスのような世界があらわれてほしい、などと思ったけれど、虚無やメメントモリとはほど遠い。ただ心からそれほどの、重さを求めているわけでもない。あざけ笑う骸骨も嫌いではない。

と、ぼんやり思っていたら、先日行った智積院の名宝展において、出会ってしまった。
理想の髑髏に。

それは大威徳明王図において、明王の首飾りと冠を飾っている髑髏たちだった。
とぼけているわけでもないが、したり顔(髑髏にそんな表情があるとして)に憂いを帯びているわけでもない。そのニュートラルな骸骨ぶりが、ずずっと胸にささった。

あとでネットでじっくり見よう。と思ったのだが、いくらぐぐっても、あの時展示でみた大威徳明王図は出てこない。
簡単に見ることができないというのも、理想として申し分ない。といえなくもない。

ちなみに、この図はそのとき響いたものとはまた違うのだ。
もう会えないのかしら。あのどくろたちに。












2023年1月12日木曜日

2023年もよろしくお願いいたします

 


 本年もどうぞよろしくお願いします。

 今年は版画以外の技法をつかった絵も描いていくことになりそうです。

  個展は5月〜6月 ごろに、挿絵の原画などを中心に開催予定です。

 近くなりましたらまたご案内します。

 週末の絵葉書屋はあいかわらずの不定期openですが、引き続きどうぞよろしくお願いします。 

1月は21日(土)、28日(土)があいております。