2020年6月16日火曜日

絵本制作すすんでいます

4月から本格的に、絵本制作に入っています。今年の秋の刊行を目指しています。
まだ、版画作業に入れないのですが、ラフの段階で練りに練っていくのはとても大事です。なにせ、絵本を作るのははじめてのことで、さじ加減もわからないのです。が、ずっと憧れていた仕事でもあるので、悔いのないように取り組みたいです。
制作チームがとても素敵な方々なので、毎回、打合せが楽しみです。
辛口だけど暖かみのある面白い本になると思います。

コロナ生活のなかで、こんなにも、ひとはおとなしくなれるものなのだ。と、驚いています。でも、それは、従順さとは違うもので、いつでも、なにか大きな力が声なきものたちを押さえ込んでいないか、風は通して、みていなくてはいけないのだな、と思います。





2020年6月13日土曜日

数ヶ月ぶりの美術館『神田日勝』展へ

この数ヶ月で、多摩川を渡って東京へ出掛けたのはわずか二回でした。

その一回が、東京ステーションギャラリーで開催中の神田日勝展です。
なんとも印象的な描きかけの馬の絵を見た方も多いのではないでしょうか。

東京ステーションギャラリーが再開したのは、つい先日のこと。
まだ、入場制限や、チケット販売の方法が変わっているので、サイトを確認してからのお出かけをおすすめします。

明治以降のいわゆる「画家」のほとんどは、今と違って○○会に所属、もしくはそこで選ばれたり、賞をもらうことを目標としていた作家が多いのです。
「会」アレルギーの私ですが、神田日勝のような画家をみると、「会」の存在が、孤独な画家を励ますものであったのなら、それも悪くないなあと思いました。北海道で、酪農家として働きながら、身の回りのものをモチーフとして描いていた日勝。特に馬に向ける眼差しにはまっすぐで慈愛に満ちており、生き物の命への暖かな愛に溢れています。久しぶりに気持ちが安らぎ、じんわりと芯から暖かくなりました。
馬の眼がほんとうに美しいです。いまにも動き出しそうなのに、半分が板のなかに埋もれている。なんだか、絵画というものの魅力の全てがそこにあらわになっているようでした。











2020年6月2日火曜日

青い空には

青い鳥はときおり描くモチーフですが、タッチも印象もいつも違うものになります。
この数ヶ月、空に蓋をされてしまったような時間が過ぎていきましたが、ふと見ると、その空はいつもよりも澄んでいたので、鳥たちは喜んでいるようにも見えました。

そのなかの一羽が、地上の人間に気がつき、舞い降りてきて
「空は青いよ、遊ぼうよ。といっている。
そんなイメージで作った絵です。

この絵を仕上げてから 数日たったある日、鳥たちの声が響くあの空を、銀色の物体が引き裂くように通っていきました。
ブルーインパルスという航空自衛隊の飛行機の演舞でした。

そのニュースをみたとき、なんで?という違和感を覚えたのですが、
多くの人が励まされたというニュースをみて、さら驚きました。

なるほど、花火に元気をもらう。というようなものと似ているかもしれません。
ただ、私の母は、いまでも花火大会に行けないといいます。なぜなら、あの音と光に、子供のころに体験した、空襲のことを思い出してしまうのだそうです。

空を雄々しく飛ぶ銀色に輝く飛行隊を見て、戦争を思い出してしまったお年寄りも少なからずいたであろう。と思います。
もう少し、気の利いた励ましってなかったのだろうか。と、思うのでした。
実際にそれを見た医療関係者はごく一部なのでしょうし。

青いそらには鳥たちを。
人にも生き物たちにも、平穏な日常が続きますように。