だいたい、映画はアップリンクかイメージフォーラムか、早稲田松竹でみているので。シネコンでみるなんて久しぶり。
映画をみる楽しみのひとつは役者さんの演技を見ること。演技ってつくづく面白いなと思う。化けたり憑かれたり、でも、イタコとはちがう、ちゃんと正気で、表現で、それでここにいるはずないひとを出現させるわけで。それをどういうやり方で出現させているのか、というのは役者さんによってまったくちがうから、そこのところをみるのがたまらなく楽しい。とくにやっぱり、言語がわかる日本人のほうが、その微妙な表現方法まで読み取れるのでより楽しめる。
それで、『沈黙』のなかで、わあ。っと思ったのは、主人公ロドリゴの妻となるひと。このひとが出てきたときに、画面が一気に「江戸」になったからだ。時代劇というくくりではなくて、そのときの空気や埃まで、時間をさかのぼってあらわれたかんじ。で、こんな女優さんみたことないなあ。って思って調べたら、黒沢あすかというひとで、塚本晋也の『六月の蛇』や、園子温の『冷たい熱帯魚』などに出ている。この二人の監督に気に入られているってだけで、なんかすごそう。実際『沈黙』での存在感もすごかった。監督がこの女優さんが好きなことがものすごく伝わってくる。そして、いい演技だったのだ。
素敵なひとだあ。と一目惚れしたのでさっそく『冷たい熱帯魚』での黒沢あすかをみてびっくり。真逆や....
まさに聖俗をひとつの体のなかにみごとに住まわせてしまう、それが女優なのね。女優って、女優って...
『冷たい熱帯魚』はご飯前にはみないほうがいいです。グロがだめなので、そういう場面は目を覆っていましたよ。それでも、でんでんのキャスティングにスタンディングオベーションをしたい。
それにしても、偶然にもこの二つの映画は、どこか表裏であるようにもみえるから不思議なのだった。
やけにイッセー尾形におそいかかる長崎の蠅たち
ユーロスペースもあるよ。
返信削除あー、それいっつも出てこないんよ〜
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