2020年6月2日火曜日

青い空には

青い鳥はときおり描くモチーフですが、タッチも印象もいつも違うものになります。
この数ヶ月、空に蓋をされてしまったような時間が過ぎていきましたが、ふと見ると、その空はいつもよりも澄んでいたので、鳥たちは喜んでいるようにも見えました。

そのなかの一羽が、地上の人間に気がつき、舞い降りてきて
「空は青いよ、遊ぼうよ。といっている。
そんなイメージで作った絵です。

この絵を仕上げてから 数日たったある日、鳥たちの声が響くあの空を、銀色の物体が引き裂くように通っていきました。
ブルーインパルスという航空自衛隊の飛行機の演舞でした。

そのニュースをみたとき、なんで?という違和感を覚えたのですが、
多くの人が励まされたというニュースをみて、さら驚きました。

なるほど、花火に元気をもらう。というようなものと似ているかもしれません。
ただ、私の母は、いまでも花火大会に行けないといいます。なぜなら、あの音と光に、子供のころに体験した、空襲のことを思い出してしまうのだそうです。

空を雄々しく飛ぶ銀色に輝く飛行隊を見て、戦争を思い出してしまったお年寄りも少なからずいたであろう。と思います。
もう少し、気の利いた励ましってなかったのだろうか。と、思うのでした。
実際にそれを見た医療関係者はごく一部なのでしょうし。

青いそらには鳥たちを。
人にも生き物たちにも、平穏な日常が続きますように。





0 件のコメント:

コメントを投稿