2015年9月12日土曜日

夜の人魚

版画の日々がはじまりました。ああ、でもこれが、この空気感が一番落ち着く。
銅板の鈍い光や、冷たさ、グランドの匂い、ニードルのきりきりとした先端。腐食の間のお茶の時間。

版画は劣化コピーしていくことが魅力の芸術なんじゃないか。っていうのは勝手な仮説なのですが。なぜ、劣化コピーが魅力なのか。っていうのは、生命には限りがあって、そこになんらかの形で(たとえば絵画という形)、永遠性をもたせようとする歪曲してしまい、生命の躍動は少なからず劣化する。劣化した作品から遡上して、歪曲された永遠は形を得て浮かびあがることができる。劣化の度合いの結果として、遡上せねばならない距離が遠いほどに、ひとはいいようのない哀切の感情を得てしまうのじゃなかろうか。とか.....

来年の一月に予定している個展は、国立のWATER MARKというギャラリーで。
はじめて、アートディーラーの方のお世話になります。いままでとは、違うなにかが見えてくれたらと他人事のように思ってみたり。



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